腰痛の基礎知識

腰痛の基礎知識

腰痛症(ようつうしょう)とは、いったいどのような病気なのでしょうか?腰痛症とは、腰部の筋、筋膜、脊柱、骨、神経、下腹部内臓などに病変があり、その自覚症状として、腰部に痛みが生じる場合、その総称が、腰痛症と呼ばれています。脊椎カリエス、骨折、椎間板ヘルニアなど、原因がはっきりしている症状の場合は除き、原因がはっきりしない腰部の痛みのことを、腰痛症と言います。

 

腰痛症の症状としては、動かしていないときは、痛みを感じにくく、しかし、重く、だるいとか、腰が張ってるとか、そういった症状を感じます。そして、腰を動かすなど、屈伸運動をすると、痛むことがあります。また、下肢部分のしびれが出ることもあります。これは、座骨神経症などが、腰痛と合併した場合、特に見られる症状です。

 

腰痛が起きた場合は、専門の機関で、きちんと診断してもらい、原因を明らかにした上で、きちんと治療しましょう。治療方法としては、まず痛みが治まるまでは安静にすること、そして、温湿布、電気療法、マッサージ、治療体操、軟コルセット着装などの治療法があります。

 

近年では、腰痛や肩凝りに悩んでる人は、とても多いようです。皆、どうやって解消していこうかと、悩んでいる方も多いと思います。パソコン、デスクワークなど、ずっと同じ姿勢でいることによって、筋肉が硬直してしまう場合があります。また、重い荷物などを、正しい姿勢ではなく、無理な姿勢で持ったりすることで起こる負担が表面化して、腰痛や肩凝りを引き起こすこともあります。

 

症状がひどくなると、完治することは、なかなか難しくなるため、そうなる前に、マッサージや治療など、何らかの対策を、早めに行うことが重要です。症状を軽減させる対策としては、ストレッチや入浴も効果的です。インターネットの掲示板などで、共通の悩みを持つ方たちの、解消法を調べたりするのもおすすめです。いろいろな情報を集めて、有効な対策を考えてみましょう。

 

以下に、簡単にできる4つの腰痛対策をご紹介します。

適度な運動をする。特に「歩く」ことは、ストレス解消にもなるし、腰痛にも効果的です。
お腹やお尻に力を入れて、あごを引き、正しい姿勢を習慣化させましょう。こうすることで、脊柱周りの筋肉もバランスよく動き、エネルギー消費が少なく、腰に負担がかかりにくくなります。
かかとの高すぎる靴は履かないようにしましょう。
脚を組む方は、時々組み替えたりしたりして、同じ姿勢を長時間しないように注意しましょう。

正常な脊髄とは、S字にカーブしているものです。そして、運動機能や体を支えています。この正常なS字カーブが歪んでしむと、体を支えられなくなったり、体を動かすのに無理が出てきたりします。そして、いろいろな場所に負荷がかかってきて、障害が出てくることが考えられます。

 

原因としては、日常生活における姿勢の悪さや、動作などがあります。また、妊娠、肥満、腹筋の衰えなど、体の正しいバランスが、正常に取れなくなり、S時カーブが反り過ぎの状態になった場合、腰に負担がかかることになります。脊椎の湾曲は、維持するようにすることが最も大切な治療法であり、また同時に予防法でもあります。

 

現在、人間が行っている二足歩行は、腰椎の構造上、実は向いていないようです。座ったり、中腰になったり、運転したりなどの姿勢も、向いていないようです。

 

しかし、現代の人の仕事においては、日々、デスクワーク、パソコンワークなどのため、座りっぱなしの状態が多いため、腰への負担もかなり大きいと言えます。そのため、S字カーブの維持は、到底出来ないくらいの悪影響を及ぼしていると言えるでしょう。

 

従って、日々の生活における、座り方や歩き方を見直すということだけでも、大きな効果が期待できます。

 

上記のような日常生活スタイルや姿勢でいると、骨格や筋肉に障害が起こり、腰痛を引き起こす原因になります。

 

○骨格は、骨や椎間板の変形などの異常や、変形変形性脊椎症、腰椎分離症状、椎間板ヘルニアなどに影響しています。

 

○無理な姿勢や動作から起こる筋肉疲労、負担は、レントゲンでも異常が見られない腰椎症などです。

 

○血行不良からくる腰痛は、下着のしめつけや、肥満による血管の圧迫などで起こります。

 

○不用意に起こる激痛は、重いものを持とうとしたりするときに発症します。筋肉繊維の断裂や、腰骨の関節、靭帯の捻挫等も原因になります。

腰痛症とは、ぎっくり腰のことを言います。これは、腰部に痛みがありますが、内臓疾患ではなく、レントゲンで撮っても、異常とは診断されない症状の総称のことです。

 

症状としては、中腰状態で物を持ち上げようとして、立ち上がろうした時に、急に激痛に襲われることがよく例としてあげられます。また、前傾姿勢や、長時間座っているなどした時に痛んだり、寒い場所に長くいるときに痛むなどがあります。

 

特徴は、突然激痛に襲われるため、ドイツでは、「魔女の一撃」と呼ばれることもあるそうです。また、放置すると、慢性化する可能性もあります。

 

原因は、不用意に体をひねった場合や、前傾姿勢で重いものを持ち上げようとしたときに起こりやすく、筋肉、神経、関節の、急激な負荷や緊張や疲れからくるとされています。

 

また、長時間同じ姿勢、無理な体勢をした場合、筋肉を疲労させた場合、また、女性では、生理時の骨盤の緩みが、腰痛を引き起こす原因となることもあります。また、運動不足や肥満などの血行不良も原因としてあげられます。

 

対処法としては、まず、無理をせず、楽な姿勢をすることです。楽な姿勢が、横になることなら、痛みが治まるまで、横になって安静にしていましょう。

 

病院に行けない場合は、患部に冷たい物を当てて、冷やすことを、10分おきに繰り返してみてください。ただし、このとき、冷やしすぎには注意してください。

 

それでも、脚がしびれてきたり、痛みが増してくるようであれば、必ず、早めに病院に行って、診察をうけましょう。

 

一度ぎっくり腰になると、癖になってしまうことがあります。再度、ぎっくり腰にならないように、姿勢に注意をしたり、急な動作をしないように、日ごろから心がけてください。また、適度な運動をしたりして、日常生活から充分注意することが大切です。

現代人のうち、約80%もの人に、何らかの腰痛の症状があるということが明らかになっています。

 

それだけ多くの方が悩んでいる腰痛の原因とは、いったいどんなものなのでしょうか?

 

肩凝りや、腰痛の原因には、大きく分けて、外的要因と内的要因の、二つの要因が考えられます。パソコンワークやデスクワークなど、長時間同じ姿勢でいたり、姿勢が猫背だったり、靴が合わずに、無理して履いたりと、姿勢からくるものを、外的要因といいます。また、年齢を重ねると共に、筋力が衰えてきて、姿勢が保てなくなったりして起こる筋肉量不足のことを、内的要因と言います。

 

これらの症状は、更年期障害にも、深い関わりがあると言われています。年齢を重ねることで起こる、エストロゲンの減少(卵胞ホルモンの減少)、筋力低下によって、関節痛が起こりはじめ、肩凝りや腰痛の原因になるとも言われています。

 

慢性化してしまうと、完治は非常に難しいとされています。ですから、慢性化させないよう、普段から、生活習慣を見直したり、原因が思い当たる場合は、それを回避したりすることで、改善するよう、心がけながら生活していくことが大切です。

 

以下に、腰痛の原因となる病状をご紹介します。

 

 

○背骨に起こる症状が原因で、腰痛になっているもの

 

椎間板ヘルニア
腰部脊柱管狭窄症
変形性脊椎症
骨粗鬆症          
など

 

 

○内臓に起こる病状が原因で腰痛になっているもの

 

腎臓結石
尿管結石
大動脈瘤
婦人科の病気
悪性腫瘍         
など

 

 

もし、当てはまる症状があるようであれば、一度、専門の医者などに診せて、診断を受け、改善するよう努めましょう。 今現在は該当しない場合でも、将来的に、腰痛が慢性化しないよう、改善に努めることが大切です。

腰痛は、生活習慣、年齢、仕事などによって、様々な症状が出るものです。そして、対処方法も、その症状によって変わります。痛みが激しいときは、安静にしておくのがベストですが、動かせる時は、適度に動かして、少しでも腰痛を緩和させていくようにしましょう。

 

以下に、腰痛の基本的な対処法と、予防法をご紹介します。参考にしてください。

 

 

1.入浴

 

お風呂に入ることで、湯船の浮力により、腰への負担が軽減します。また、温めることで、血流が良くなる効果があり、痛みも緩和されます。お湯の温度は、38〜40℃位の、ぬるめにすると、筋肉の緊張もほぐれ、リラックス効果も得られ、腰痛を緩和させるのに効果的です。

 

 

2.腰の負担の軽減

 

長時間同じ姿勢でいることで、筋肉も固まってしまい、腰への負担が大きくなります。ですから、長時間同じ姿勢でいないよう、心がけてください。どうしても同じ姿勢でいなくてはならない場合には、たまにストレッチや伸びをするなどして、体を動かすように心がけてください。
また、靴も重要です。ヒールが高すぎると、脚、腰に、大きな負担がかかりますので、ヒールの高い靴は避けた方がよいでしょう。

 

 

3.正しい姿勢を取る

 

姿勢が悪いと、背中の筋肉などに、余計な負担がかかるため、腰痛が悪化します。かかとを付け、つま先を少し開き、あごを軽く引き、まっすぐ立つという正しい姿勢を、いつでも保てるように心がけましょう。

 

 

4.腰の筋肉のサポート

 

腰痛が酷いとき、また、安静にしていられないときなどは、腰に負担をかけないよう、腰専用のサポートや、コルセットを使用するという方法もあります。しかし、これらは、サポートの役割をするだけなので、根本的な解決にはなりません。「どうしても」と言うときのみ、使うようにしてください。ずっとつけっぱなしにしてしまうと、その道具に頼りすぎてしまう可能性があるので、ご注意ください。

背骨の歪み、腰の歪みは、全身のさまざまな症状に影響すると考えられています。従って、背骨の湾曲を正しく保つことが、バランスが取れて良い影響を与えるということです。

 

 

1.骨のバランスを整えて立つようにする

 

ここで重要なのは、背骨のS字カーブを正しく保つということです。骨格が歪むと、バランスが悪くなり、体を支えることが出来ず、筋肉や靭帯、椎間板に負担がかかるようになってきます。ただ立っているだけでも、負荷はかかっているので、長年に渡って負荷を積み重ねていくうちに、身体にいろいろな障害が起こってくるようになります。

 

背骨や、腰の歪みからくる障害は、腰だけに出てくるものではなく、足、腕、頭など、全身に影響を及ぼす可能性があります。従って、腰が痛いから腰を治せばOKというわけではありません。全身のバランスを考えて、根本的な解決をするということが重要です。

 

 

2.体の骨格と筋肉の関係

 

腰痛を改善しようと、腹筋や背骨を鍛えるよう指導されて、筋トレを一生懸命した挙句、やり方が悪かったため、逆に、腰痛を悪化させてしまったという方は、多いのではないかと思います。

 

骨格は、張って引っ張る筋肉と、縮んで固まる筋肉の、2種類で支えられているものです。骨格が歪むと、バランスを取ろうとして、筋肉が緊張してしまい、固定されてしまいます。そして、その状態のまま筋トレを行うと、正しい姿勢に戻るどころか、悪い姿勢のまま、筋肉を固めてしまうことになり、ますます、腰痛が悪化してしまう結果になりかねません。

自己流で行って、他を傷めてしまうよりは、きちんとした指導の下、正しい筋トレを行うことをおすすめします。

 

 

3.改善方法

 

まずは、腹筋・背筋を鍛えるために、「良い姿勢」を保つように心がけましょう。カイロでは、骨格が正しい位置になるよう、身体にきっかけを与えているに過ぎません。立ち方や座り方など、日常生活を送ることで改善していくよう、指導されます。ある程度、改善が見られるようになるまでは、筋トレは行わないように注意してください。

 

また、自分で行う運動療法では、「ウォーキング」がお勧めです。外を歩くことで、精神面にも良い影響を与えるし、筋肉も鍛えられます。また、心肺もUPし、血液循環も良くなります。
無理はせず、簡単に出来る療法として、ウォーキングは最適です。

 

正しい「立ち方」、「座り方」、「歩き方」などを、きちんと指導を受けて、腰痛を改善していくように心がけましょう。

病院で受けることができる腰痛の治療法は、その人の腰痛の症状によっても、治療法は様々ですが、基本的に、以下のような治療法がありますので、ご紹介します。

 

 

【薬物療法】

 

消炎鎮痛剤、筋弛緩剤、ビタミン剤(B12など神経損傷回復に有効)、精神安定剤、骨粗しょう症治療薬など

 

 

【温熱療法】

 

赤外線、ホットパック、マイクロウェーブなどで患部を温める

 

 

【理学治療】

 

筋肉の緊張を血流をよくすることで、痛みを和らげたり、腰を引っ張る牽引、腰痛体操などの運動、腰椎をコルセットで安定させ、痛みを軽減、予防、矯正する

 

 

【ブロック治療】

 

椎間板ヘルニアや、脊柱管狭窄症などで神経が圧迫されていたり、腰痛の原因が明確で、鎮痛剤を使用しても、痛みが軽減せず、逆に、慢性化して収まらず、再発、痛みの増徴などがある場合には、神経に局所麻酔と、ステロイドホルモンを注入し、一時的に、痛みが脳に伝わらないようにブロックする方法

 

この治療法には、2種類があります。硬膜外ブロックは、脊髄の外側にある、硬膜外膣に、局所麻酔とステロイドホルモンをまぜた薬剤を注射するものです。これは、痛んだ神経根以外の神経根にも作用するため、効果が大きいです。

 

神経根ブロックというのは、痛んでいる神経根のみをブロックすることで、X線で透視しながら、痛んでいる箇所の神経根だけに注射するものです。

 

【手術療法】

 

ラブ法によるヘルニア手術は、椎間板ヘルニアで、最も一般的な手術の方法です。手術の内容は、背中側から、椎弓という神経を包んでいる箇所を露出させ、ヘルニアを摘出します。時間は、だいたい1時間ほどで終了し、退院から歩けるようになるまでは、1週間ほどかかります。

 

 

ご自分の症状にあった治療方法を見つけて、適切な処置を受けるようにしてください。